Macはいいですね。たいていかっこいい写真素材などはMacです。Mac Book AirやiMac、どちらもさまになります。でも私が使っているのはWindows。窓と猫でいうと窓の方です。PCとMacでいうとPCの方です。それには理由があります。
いきなりですが余談。Windowsを「窓」、それに対してMacを「猫」と呼ぶ人がいます。これはMac OS X 10.0から10.8までのコードネームがネコ科の動物の名称であるためです。
10.0はCheetah、10.1はPuma、10.2はJaguar、10.3はPanther、10.4はTiger、10.5はLeopard、10.6はSnow Leopard、10.7はLion、10.8はMountain Lionです。
10.9以降はカリフォルニア州の地名になっているようです。10.9はMavericks、10.10はYosemiteです。(Mavericksと聞いて『TOPGUN』の主人公Maverickを思い出したのは私だけでしょうか。)
また、WindowsとMacどちらもPCと呼ぶのは誤りです。WindowsはPCであるのに対してMacはMacなのです。Computerと言えばどちらも含めることができます。なぜMacはPCではないのか。詳しくは「Mac vs PC」や「Mac is not a PC」などでググってみましょう。
Macはかっこいい
Webにイラスト、クリエイターの方々はたいていMacを使っている印象があります。ネットを見ていても、Macを使っている方が多いように見受けられます。
確かにMacは玄人好みのイメージがありますが、実際にクリエイターにとって使用感のよさがあるという意見が多いのも事実です。
私は、単純にデザインからMacBook Airがほしくてたまらなくなることがあります。写真うつりもよいですし。でもWindowsを使い続けています。
ではなぜWindowsを使い続けているのか。それには大きく3つの理由があります。
Macに乗り換えない理由(1)価格
家電量販店に行ってコンピューター売り場をのぞいてみてください。Windowsの売り場はノート型とデスクトップ、かなりの占有面積がある一方で、Macは全体で小さ目の売り場しかありません。
MacintoshはAppleの製品です。Apple Inc.がソフトとハードどちらも開発・製造・販売しています。かたやWindowsはMicrosoftのOSですが、ハードは電機メーカー各社で製造・販売されています。そのため、ハードの種類はWindowsが圧倒的に多くなります。種類が多くなれば当然広い売り場が必要となります。
また、多くのメーカーが製造しているため、Windowsを搭載しているコンピューターには競争原理が働き、値段が下がります。MacはAppleという開発元1社ですから競争の必要がありません。もちろん、多少高くても売れるだけの価値も認められているのですが。
Macに乗り換えない理由(2)市場シェアと慣れ
会社での仕事において、コンピューターはなくてはならないものとなっています。そのほとんどがWindowsです。Macを使っているのは、やはり一部のクリエイティブな業界、仕事だけといってもよいでしょう。
私が学生から会社員になったころ、コンピューターと言えばまだまだDOS/V(これはPCですね)が多かったと記憶しています。ただそのころWindows 95が生まれ、少しするとWindows 98が出てきました。このころからWindowsが急速に普及したと感じています。
入社当時、その会社では表計算などには『The PIPS』という簡易言語のソフトを使用していました。ところが、すぐさまMicrosoft Excelが主流となりました。このころからMicrosoft Officeを使っているので、使い慣れているわけです。
Macに乗り換えない理由(3)翻訳支援ツールのOSサポート
産業翻訳の世界では翻訳支援ツール(CAT tool、Computer Aided/Assisted Translation tool)というものを使うことがあります。翻訳支援ツールとは、機械翻訳とは異なり、人間が翻訳した原文・訳文のペアを登録し、次に同じ原文や類似した原文が出てくると、登録した翻訳を再利用できるというシステムです。
以下、代表的な翻訳支援ツールはいずれもMacはサポートしていないようで、どうしてもMacで使用したい場合はBoot Campをインストールするか、ParallelsやVMwareなど仮想環境上で使うしかないようです。
SDL Trados
Wordfast
memoQ
SDLX
Across
Déjà Vu
Star Transit
XTM
Swordfish
TraTool
調べた範囲では唯一、オープンソースの『OmegaT』は、Windows、Mac、Linuxをサポートしているようです。
実際のところ、一番の市場シェアを誇るSDL Tradosを指定するクライアントも多いと思います。いずれにせよ、翻訳支援ツールの使用を考慮すると、Windowsを使い続けることになります。
まとめ
使い慣れていて安いWindows、かっこいいけど使い慣れていないし少し高めなMac。やはり乗り換えには迷いが生じます。
その上、仕事で必要な翻訳支援ツールのOSサポートもWindows。
ルックスの良いMacの誘惑に負けることでもなければ、乗り換えることはないのかも。。。
こんにちは.
Macでも使える翻訳支援ソフトにCafeTran Espressoというものがあります.有料ですが安いです.
個人的に紹介サイト↑を開いていますので,よろしければ御覧ください.
masatoさん、CafeTran Espressoのご紹介ありがとうございました。
2005年から開発されているとのこと、比較的新しいソフトなのですね。画面ショットを見るとUIも分かりやすく使いやすそうです。
CATツールは、翻訳者からすると安くて使いやすい方がよいのですが、翻訳会社、特にMLV(Multi-Language Vendor)にとっては言語対応なども重要な検討材料となります。そのため、Tradosのシェアが高い状態は依然として変わらず、また結果としてベンダーロックインという状況を招いていると思われます。
ご紹介いただいたCafeTran Espressoのようなソフトがさらに普及し、各ソフト間の互換性などもより充実するとよいですね。
翻訳支援ソフト間では、メモリの共通化はほぼ完了しており(TMX形式でのインポート/エクスポート)、作業ファイルもたいていXMLベースで、ほぼ互換性がありますね(どこまでカバーできるかは開発者の努力にもよりますが)。
最終的には、用語集の共有がネックだと思います。
フリーランスにとってはたいてい二言語で十分ですが、翻訳会社は多言語システムを採用したいでしょう(SDL Multitermなど)。
ベンダーロックインは、私の見るところ、翻訳会社の思考停止でしょう。難しく言えば、優越的地位の乱用、かもしれませんね。
メモリの互換という意味ではTMXですでにできているといえるかもしれませんね。
実は私、現在MLVのような会社で働きながら、フリーランスの翻訳として生きていけるよう努力している最中なのです。多言語対応もしているとCATツールはどうしても必要なのと、クライアントの意向も強いです。
多言語展開と関係ない日英・英日のみの案件、またその内容次第では、CATツールを使用しないこともあり、CATツールを持っていない翻訳者さんに依頼し続けることもありますね。
ベンダーロックインの状況もありながら、それに左右されない部分も(出来るだけ多く)残ってほしいなと願いながら今日も仕事をするのです。
なかなか難しいですね。
私はシステムには明るくないですが、(機械翻訳ではなく)翻訳支援ソフトは、素人の見る限り、文字列の関連付けと置き換えでしかないように思います(=高度な辞書引きシステム)。
翻訳メモリと呼ぼうが用語集と呼ぼうが、結局は文字の羅列ですから。
ここにある言葉があちらにある言葉と関係づけられれば、翻訳支援ソフトの役割は(ほぼ)終わりだと思います。
他言語か二言語か、英語か日本語か ー 所詮は文字列の羅列に過ぎない、という観点から見れば、どうでもいいことですよね(英語か日本語か、あるいはフランス語か中国語かは、プロの翻訳者であれば、みれば分かりますから)。
世界には頭のいい人がたくさんいますから、いつか誰かがそんなシステムを作ってくれることでしょう。
それまでは、翻訳支援ソフトなどなくても、辞書とパソコンさえあれば、お客様に満足していただける品質の訳文を提供できるようになりたいと思います。