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翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

開業届、ひとり激励会、そして寿司屋で学んだこと

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昨日、いわゆる「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出してきました。いよいよです。言いわけの一切できないフリーランスに足を踏み入れようとしています。そんなこんなで今日、ひとり激励会をしてきました。

過去に何回かランチで伺ったことのある近所のお寿司屋さん。ランチでは握り10貫やどんぶりを1000円程度でいただけるお店です。何かお祝いなどあった際にはお酒も一緒に味わおうと決めていました。というわけで、このお店でひとり激励会。

地方都市ですが、ランチを食べただけで意識が高い職人さんであることが分かります。今日はおつまみも含めて期待が膨らみます。

まずは食レポ

暖簾をくぐると、カウンターの中には若旦那、先代、ホールには女将さん(先代の奥様)。先代は気難しそうで、若旦那は気がよさそうです(あいかわらず)。

目の前にいた先代に注文。気難しそうに見えましたが、その裏には優しさも感じられます。ビールとつまみを2品。

写真はお通しで出されたアワビの肝と、切子のグラスに注いだビールです。アワビの肝は濃厚で、口に余韻の残っているところにビールを流し込む。たまりません。

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奥にちらっと見えるのは茄子の田楽。今日は寒かったので、田楽が身も心も温めてくれます。手前はスミイカなるものです。スミイカは富山の伝統の味とのこと。(ここは長野県ですが。)中にワタも入っていて、塩気は強く非常に濃厚な味わいでした。これは日本酒が合うと考え、純米吟醸を出していただきました。

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そしてこれが地元の純米吟醸です。甘味は強いのですが、さわやかなお酒でした。

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お勧めの一つ、さんまの酢じめです。仕入れたのち、その状態を再確認して生で出すか酢じめにするかなど決めるとのことでした。写真は2切れですが、元々4切れありました。我慢できず食べてしまった図です。おいしかったです。本来は倍の量ですが、私がひとりだったため、半分の量で(半額で)出してくださったとのことでした。非常に良心的なお店です。

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もう一つのお勧め、かますです。表面を炙っていて、焼き魚と刺身の中間、たまらない触感と味わいです。塩を振ってあるので、醬油を少しつけても、そのままでも構いません。炙った香ばしさと生の味わいが一度に感じられ、たまらないおいしさでした。

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最後に軽く握っていただきました。元々5貫あったのですが、またしても我慢できず、1貫食べてしまった図です。一番左には中トロがありました。これがまた絶品で、大トロとの境に近いところにあったらしく、脂ののり具合は大トロかと思えるほどでした。写真は左から金目鯛、イカ、甘えび、いくら。金目鯛もまたたまらなくおいしかったです。ネタがおいしいのも当然ですが、軍艦巻きの海苔も香ばしく歯ごたえもありたまらない一品でした。

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実は最後に雲丹をいただきましたが、写真を撮り忘れました。私はもともと雲丹が苦手だったのですが、ある時北海道直送のものを食べる機会があり、雲丹はおいしいのだということを知ったという経験があります。若旦那とそんな話をした後で雲丹も試そうかと伝えたところ、まずテイスティングとして一切れ試食させてくださいました。結局軍艦巻きをいただきましたが、これもまたおいしかったことは言うまでもありませんね。

若旦那との話

カウンターに座って会話をしている中で、いろいろなことを教えていただきました。

雲丹は時間が経つとどろどろになるとのことです。若旦那のお知り合いの業者の方で試しに雲丹を冷凍された方がいらっしゃるようです。その結果は、どろどろになって流れてしまうようなものになったとのことでした。

イカは繊細なため鮮度保持が困難であることです。これについてはイカはストレスを感じやすいと以前テレビで見たことがあったのですが、やはりその通りのようです。

個人的に面白いと思ったのは次の話です。

市場は基本的には業者や飲食店との取引で成り立っています。業者や飲食店は当然のように早朝から働いています。そして、購入した魚介類は発泡スチロールに入れられ、仲卸しのお店の決まったところに並べられます。

この地方都市の某市場は年に数回(回数などは未確認です)一般の方に開放する日も設けています。そんなとき、一般のお客様の中には業者や飲食店が購入した誤解の入った発泡スチロールを開けて、よさそうなものに目をつけて取り出し、購入して持って行ってしまう方もいらっしゃるようです。

当然業者や飲食店は買ったはずの魚が減っていることに後になって気づきます。当然その分は支払いを免れられますが、営業上困ることになるわけです。

若旦那から学んだこと

その若旦那はお酒も魚もお好きなようで、その分本当に良いものを仕入れて、おいしい状態で提供することを心から考えていることが伝わってきました。好きなことを仕事にし、自分に嘘をつかず、お客様に喜んでいただく、当たり前のようでいて、感じ入るものがありました。

翻訳も同じと考えます。CATツールやMTPEがある中で、品質のことをさほど考えなくても言語の置き換えはできるようになっているかもしれません。しかし、本当によい訳文、論理的で分かりやすい訳文を作るには時間も労力も必要です。これをできるかできないか、やろうとするか手を抜こうとするかで仕上がりは大きく変わってきます。

まず翻訳や言語が好きなこと、そしてそれを実直に扱うことができること。このような翻訳を行う上で当たり前と思えるようなことを実際にできるかできないか、やるかやらないか、その気があるかないかで何もかもが違ってくることを、思いがけず教わることができました。このことを感じさせていただいたことは幸せなことだと思います。

まとめ—よいものはよい

このお寿司屋さん(「寿司屋」ではなくつい「お」や「さん」をつけてしまいますね)にはこの先も伺いたいと思います。頻繁には無理かもしれませんが、何かしらの区切りや自分へのご褒美など、ことあるごとに利用したいと思います。

なぜでしょうか。それだけの価値があるからです。

飲食店も翻訳業も、高いか安いかで判断されることも多いかと思います。しかし、本当に価値があり、その価値を認めてくれる人がいれば、利用していただけると思うのです。そんな翻訳者になれるよう意識し、日々の努力を続けていきたいと考えるよい機会を思わず得られたことに感謝しつつ、酔っぱらった私は早めに就寝しようと思います。


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