Com2 Blog

翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

たかがタグエラー、されど・・・後工程の苦労は甚大

tags

タグエラーは比較的修正しやすいものですが、数が多いと非常に大きなストレスとなります。

ちなみに、IT翻訳に関わっていれば、タグの知識は常識ですね。

タグは必要があって存在している

タグは大きく2つに分けることができます。段落書式を表すものと文字書式を表すものです。

段落書式は、文全体に対する書式の設定です。ある文がタイトルであるとか、リストの項目であるなどを示します。段落書式のタグは、翻訳の際触る必要はありません。Tradosでは外部タグと呼ばれ、翻訳者の作業対象である分節(セグメント)としては表示されません。

文字書式は、文の中の特定の文字列に対する設定です。ある文字列を太字にする、斜体にする、フォントサイズを変えるなどです。文字書式はTradosでは内部タグと呼ばれ、訳文でも適切な位置に反映しなければなりません。

例えば、原文に太字のタグがあるとします。ライターはその文字列を強調したい意図を持って原文を書いたわけですが、もし訳文にタグをつけ忘れたとすると、何も強調されない訳文が出来上がります。ライターの意図は反映されません。

エラーは起こるもの

原文と同じようにタグを維持するのが基本とはいえ、人間が翻訳を行っている以上間違いは起こり得ます。そのため、翻訳支援ツールなどでは、タグエラーを検出してくれるようになっています。

タグエラーは検出しやすいものです。原文にあるタグが訳文にない、あるいは原文にないタグが訳文に入っているなど、簡単に見つけて、簡単に修正できます。ところが、エラーが解消されていない状態で納品されることもあります。中には大量にエラーがあったり、ありえないエラーが見つかる場合もあります。

こんなタグエラーがありました

Trados Studioを使った多言語案件でした。とある言語で大量にタグエラーが検出されました。

ある言語であった問題です。
原文は「File Menu」。原文は「File」にボールドタグがついていましたが、訳文は「Menu」の訳語にボールドタグがついていました。「File Menu」だけでなく、「×××× Menu」というものは全てこのようになっていて、何度も繰り返し出現するため、数は膨大なものでした。

また別の言語であった問題です。
原文は「Click File menu, and then select Save.」のようなものだと思ってください。原文のボールドタグは「File」と「Save」の2セットです。訳文はボールドタグが異常にたくさん入っていました。「<bold>F</bold><bold>i</bold><bold>l</bold><bold>e</bold>」と「<bold>S</bold><bold>a</bold><bold>v</bold><bold>e</bold>」と1文字1文字にタグがついていたのです。出力結果は「File」と「Save」が太字になるため問題ないのですが、翻訳メモリなども納品するため、ゴミは消す必要がありました。ちなみに、このエラーも大量に検出されました。

タグエラーの修正は誰がするか

タグエラーは、数が少なければコーディネーターが修正して翻訳者へフィードバックすれば問題ないと考えます。エラーのレベルによっては、翻訳者へのフィードバックすら必要ないかもしれません。

ただし、あまりにもひどい状況であれば、翻訳者にフィードバックして修正を依頼すべきでしょう。仕事に対する知識か意識が欠如している可能性があります。

ですが、コーディネーターが自分で修正してしまうことも多いのではないでしょうか。納期までさほど余裕もなく、翻訳者の住む地域との時差を考慮すると、修正を待っていられない場合もあります。上記の例も時間的な都合もあり、やむなく自分で修正し、フィードバックだけしました。このようなことも多々あります。

まとめ

もしかすると「タグが間違っていても、翻訳した文は正しい」「タグをつけるのが翻訳者の仕事ではない」と考えている翻訳者もいるかもしれません。であるとしたら、そのような翻訳者には依頼をしたくありませんし、私自身そのような翻訳者にはなりたくありません。

多言語についてはタグのようなものしか見ることのできない自分自身も悲しいですが、決して翻訳や訳文をなめているわけではありません。翻訳者も「タグなんて」となめていると仕事を失いますよ。きっと。


コメント

コメントを残す