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MultiTerm 2015のバグ? エントリが結合されない

sdl-multiterm-2015

昨秋、SDL Trados Studioを2014から2015にアップグレードしました。(まだ2017にはしていません。)ところがMultiTermのインポートが正常に機能していないようなのです。

私がTradosを使っている理由、どのように使っているかについてはTo CAT or not to CAT—自分に合った翻訳方法模索中にも書いた通りです。指定訳語を検索などせず効率的に適用したいのです。ところがMultiTerm 2015にしてから登録してあるはずの訳語が出てこないことに気づきました。原因はエントリの結合のようです。

以降、MultiTerm 2014と2015で試した結果を挙げます。現在のビルドは次のとおりです。

SDL MultiTerm 2014 SP2 – 11.2.1379.0
SDL MultiTerm 2015 SP2 – 12.2.1629.0

同じ用語や単語でも使い分けるものはあります。そのような時は下記イメージのように、Excelのリストにし、MultiTermを作成します。(イメージはダミーです。もちろんです。)

excel-fruits-glossary

MultiTerm 2014でインポートした結果

まず、基本的な作業手順を見てみましょう。

(1)まずExcelをMultiTerm Convertで変換します。
(2)次にMultiTermのデータベースを作成します。(これが器になる)
(3)作成したデータベースに変換したデータをインポートします。

手順3でデフォルトの定義を使いそのままインポートすることもできますが、ここでは同じ原文のエントリを結合するため、次のようにインポートの定義を作成します。

「インデックス用語を基準にエントリを同期」にする。

MT_2014_Import_Wizard_4-8

インデックスは「Source」、インポート先の用語ベースにインデックス用語が存在する場合「エントリを結合」するようにします。

MT_2014_Import_Wizard_6-8

すると、出来上がったMultiTermは次のように、原文一つに対して訳文が羅列した状態で表示されます。

apple
Excelでは4行あったものが意図した通りに結合されています。
MT_2014_result_apple

orange
こちらもExcelでは3行あったものが意図した通りに結合されています。
MT_2014_result_orange

pineapple
同じくExcelでは2行あったものが意図した通りに結合されています。
MT_2014_result_pineapple

MultiTerm 2015でインポートした結果

インポートを定義するインポートウィザードは、設定から画面の構成まで2014と同じため割愛します。

出来上がったMultiTermは次のように、訳文はExcel上でそれぞれの項目の一番下にあったものだけが表示されます。それ以外はどこをどう探しても見当たりません。

apple
MT_2015_result_apple

orange
MT_2015_result_orange

pineapple
MT_2015_result_pineapple

—–2017年2月3日追記(ここから)—–
下記画面ショットのように、インデックスはプルダウンで「Source」「Target」その他Excelのヘッダー行のインデックス名を選択できます。
「Source」だから失敗したのかもしれない、「English」と明示的に指定しなければいけないのかもしれないと思い、試しに「English」を指定して、インポート先の用語ベースにインデックス用語が存在する場合「エントリを結合」として同様に試してみました。結果に変化は見られず、Excelの最終行にあるものが上書きされました。
同じことを2014でも試しましたが、こちらは正常にエントリが結合できました。)

MT_2015_6-8_1
—–2017年2月3日追記(ここまで—–)

2014と2015で何が違うのか、どこで消えたのか

ExcelからMultiTermを作成する過程で、問題発生の可能性があるタイミングは2つ。MultiTerm Convertでの変換とMultiTermへのインポートです。

MultiTerm Convertでの変換

glossary_test.xlsxというExcelファイルを使用した場合、この変換でglossary_test.log、glossary_test.mtf.log、glossary_test.mtf.xml、glossary_test.xdtという4つのファイルが生成されます。

2つのログファイルは無視してよいでしょう。残りの2つ、XMLとXDTですが、比較した結果2014のものと2015のものは同一でした。

つまり、この変換では問題は発生していないことになります。

MultiTermデータベースへのインポート

インポートの定義はいずれのバージョンでも同じ設定で作成しました。その結果、2014は正常にエントリが結合され、2015は各用語の最後のエントリだけが残った、つまり上書きされました。

ちなみに、2015を使いデフォルトの定義でインポートしてみたところ、全てのエントリが消えることなくMultiTermに取り込まれました。

このことから、原因はMultiTerm 2015のインポートの定義、その中でもエントリの結合でのバグではないかと考えられます。

では、どうすればよいか

Trados Studio 2015を使い、MultiTermだけは2014を使ってみたところ、特に問題もなく用語の候補が表示され、また検索もできました。MultiTerm 2014を使うのがとりあえずの対策かなと考えています。

この件に関して、原因や対処をご存知の方がいらっしゃいましたら、情報を頂けますと幸いです。差し迫って困っているというわけでもないのですが、気になるもので。


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