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翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

受けてはいけない仕事ってあると思う

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昼間はエージェント勤め、朝晩と週末に翻訳するという生活を続けています。翻訳者とエージェント、いずれも受注産業。それでも考えます。受けてはいけない仕事ってあると思うのです。

受注産業なんです。だからといって「お客様は神様です」などと言って提示された条件を何でもかんでも飲んでいたら、翻訳者も翻訳業界も持ちこたえられません。翻訳者は生活できなくなり、エージェントだって利益を上げられなくなるでしょう。

それでもクライアントから受注することだけに熱心で、それに翻訳会社や翻訳者がそれに応えてくれるよう望んでいるエージェントもあります。翻訳というものが成り立たなくなったらMTとPEに業務の主体を移して、「翻訳」から「言葉の置き換え」に徹する会社になればよいとでも思っているのでしょう。あるいはこの先の展望などない、また何も考えていないのでしょう。

もし翻訳という仕事を今後も続ける気があるならば、受注産業だからといっても受ける仕事は選ばなければいけませんし、交渉もしなければいけません。そのために翻訳者は勉強し、エージェントはクライアントやその業界の情報収集をしながら翻訳業界の動向にアンテナを張るのです。そうするべきなのです。

それでも「早い安いそのくせうまい」を求めるクライアントの仕事を受けてしまうエージェントは多いでしょう。そこから流れてくる異常に安い仕事を受けてしまう翻訳者もいるでしょう。安すぎる仕事を受けることによる影響など考えずに。

安い仕事といえばクラウドソーシングがあります。否定はしません。入り口として有効な場合もあるでしょう。しかし、翻訳にしてもライターにしてもイラストレーターにしても、クラウドソーシングの価格が浸透してしまうと、本来の仕事として正当な価格で仕事をしている翻訳者やライターやイラストレーターにどのようなことが起こるでしょうか。

わたしも一時クラウドソーシングに登録し、いくらか受けたことはありますが、業界のためにならないとの考えに至ってからは足を洗いました。

今話題のボランティアでも同じことが言えます。ボランティアでさまざまな経験をすることはできるでしょう。挑戦してみたいことを経験できる、人の役に立てるなどポジティブな面もあります。しかし、たとえば通訳のように高度な技術を要する仕事についてはどうでしょうか。無償でも賄える、無償でいいんだ、そんな認識が広がれば、技術を正当に評価してもらえなくなったら、通訳という仕事の未来はどうなるでしょうか。

不当に安い仕事、対価に見合わない要求をされる仕事はあります。そのような仕事を軽々しく受けてしまえば、自分だけでなく同業者や業界全体へのマイナスの影響がいずれ出てきます。またわずかな値引きであっても毎年繰り返されれば大きな価格破壊につながっているということもあり得るでしょう。

仕事を受けるときは、得られるのが正当な対価であるのか、受けることによって将来的に何らかの望ましくない影響が出ないかなど、考える必要があると思うのです。

わたしはまだまだ同業者の中でも単価が低い方だと思っています。それでも自分の中である程度の限度を設け、それ以下は受けないように自分のルールを持っています。

まとまりませんが、よく考えて受注しましょう。世のエージェントにもそうあってほしいものです。


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