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【日本人の英語の間違い】pleaseとつければ丁寧なのか

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次の文は英文メールでよく見かける表現ですね。実際のところ、相手にどのような印象を与えると思いますか?

Please send the file by Friday.

Pleaseをつけると丁寧になり、失礼のない英語になると信じられている方も多いと思います。丁寧になることも、失礼な場合もあります。では、pleaseにはどのような意味があり、英文をどのような印象にするのか見てみましょう。

ここでは動詞のpleaseは取り上げません。間投詞や副詞についてのみ考えます。

辞書の定義

まずpleaseの定義をオンラインの英英辞典で確認してみましょう。

Oxford Learner’s Dictionariesの定義
used as a polite way of asking for something or telling somebody to do something

Collins Dictionariesの定義
used in making polite requests and in pleading, asking for a favour, etc

どうやら丁寧に何かを頼むときに使う言葉のようです。

これだけ見ると、「なあーんだ、やっぱりていねいになるじゃん」と思えるかもしれませんが、気を付けてください。丁寧の度合いも理解しなければいけませんし、使う相手や場面もわきまえなければいけないのです。

pleaseをつけても命令は命令!

Please sit down.

これは「お座りください」のようなニュアンスになるでしょうか。答えはノーです。「Sit down」は直接的な動作を伝える命令です。Pleaseをつけても、少し丁寧な命令になるだけです。上司に対して「どうぞ座って」とか言いませんよね。ビジネスの場では避けた方がよいでしょう。

この場合丁寧に伝えるには「Please have a seat.」のような表現をおすすめします。同じpleaseをつけただけの文に見えるかもしれませんが、「have a seat」には「おかけください」というニュアンスが含まれるため命令ではありません。これにpleaseをつけることで「どうぞ」という丁寧さがさらに加わります。ビジネスなど、礼儀が必要な場面でよく使われます。

pleaseをつけても丁寧にならない文

以下はpleaseをつけても命令文であることに変わりはなく、目上の人や得意先などには使わない表現です。自分に対して何らかの行動を相手に期待している場合と考えることができます。

Please sit down.
Please wait a moment.
Open the door, please.
Please send the file by Friday.

pleaseをつけて使う文

以下は相手に行動を強要するものではないため、命令にはならず、失礼になりません。このようなものは決まり文句となっていますね。

Please find (take a look at) the attached file.
Please (kindly) be informed that my e-mail address has been changed to XXXX.
Please do not hesitate to let us know in case of any questions.

丁寧な文にするコツは相手に選択肢を与えること

では丁寧な、あるいは礼儀正しい表現はどのようにすればよいのでしょうか。冒頭で見た下記のサンプル文を丁寧なものにしてみましょう

Please send the file by Friday.

下に行くほど丁寧になります。求められる丁寧さの度合いに応じて使い分けます。
Could you send the file by Friday?
I was wondering if you could send the file by Friday?
Is it possible for you to send the file by Friday?

ポイントは相手に選択肢を与えることです。Please + 動詞では丁寧な命令文とお話ししました。この文では「ファイルを送る」という行為を命令する意図しか含まれておらず、相手にとってはファイルを送らないという選択肢はないのです。

Could you …とすると、回答はイエスとノーの2通りできることになります。通常、イエスの答えを期待しているときの依頼のしかたですが、一般的に良く使われ、十分丁寧ではあります。

I was wondering if you could …とIs it possible for you to …はイエスとノーの回答ができる上、相手の都合も考慮しており、かなり丁寧な表現になります。

(おまけ)Pleaseが不要なソフトウェアUIの例

ソフトウェアUIの英文を日本人が考えると次のようになることがよくあります。

Please click XXXX button.

これをネイティブにプルーフしてもらうと、必ず「Click XXXX button.」と修正されます。

ユーザーに操作してもらうとき、Click XXXX button.で「XXXXボタンを押してください」のニュアンスが含まれます。Pleaseをつけて「どうかボタンを押してください」のようにする必要はありませんよね。

まとめ

日本語と英語、文法構造は異なり、言葉の発展してきた背景や経緯も異なる2つの言語。考え方や使い方が異なるのは当然です。それでも、コミュニケーションには相手を思いやる気持ちが大切なことはどちらの言葉でも変わらないのです。


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