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翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

問題のある翻訳会社

MLVのような職場にも、早くて安くてしかも品質の良いものを求めるソースクライアントにも嫌気がさしていますが、安いだけで訳文の品質を理解しているか疑問に感じられる翻訳会社と仕事することも耐えられるものではありません。

翻訳者とMLVとクライアントと」にも書きましたが、ソースクライアントの言葉に対する意識は低下して重要視しているのは価格と納期だけ、MLVも自分たちの首を絞めているという自覚もなく言いなりといった印象を受けます。もちろん考えも苦労もあるのかもしれませんが、結果から受ける印象はそんなものです。

問題なのはソースクライアントとMLVだけかというと、そうでもありません。最近、取り引きしているある翻訳会社について我慢できないことがありました。詳しくは書けませんが、大雑把な話だけ。同僚がこれを読んだらあの件だと気づくと思いますが。

多言語翻訳で発生した問題です。何十言語も翻訳する中の数言語で誤訳がありました。誤訳といっても、たとえばそれを読んだユーザーが製品を使えないという類のものではありません。ただし、厳密には原文の意図からそれてしまうという訳語選択のミスでした。この問題を重要視したわたしたちは原因の究明と再発防止の検討を要請しました。すると、「大意は間違っていないし、どちらでもユーザーにとって問題はない」というような回答がありました。キレました・・・この件は一旦置いておきます。

また別の案件で問題が発生しました。それは技術文書ではなく、くだけた文章で、ユーザーにアピールすることが目的であり、読みやすさが求められる案件です。毎回その旨指示を出していました。ターゲット言語は10数言語です。ところが信じられないミスがその大半の言語で発生したのです。そのミスの特徴から、各言語を読めないわたしでも気づけるものでした。

実例を示すことはできませんが、それっぽいものを挙げます。たとえば「sevenish」というような表現があります。待ち合わせやパーティーの開始時間など、「だいたい7時くらいね」のような感覚です。こう言われて7時に行っても誰も来ていないことが多いものです。多数の翻訳者がこの表現を知らず、しかも「-ish」がわからないからと訳文にそのまま残してきたとお考えください。それを見たら、各言語を読めないわたしでもおかしいと気づきます。いろんな言語で同じように「ish」が残っているわけですから。

意図を伝えて(伝えないとわからない時点で失格だと思いますが)修正してもらいました。もちろん原因の究明と再発防止の検討を要請しました。すると、「いつもの案件は技術文書だし、原文に忠実に訳すよう求められている。それにこのようなスラングは難しいのではないか。説明してくれないと困る」というような回答がありました。キレました・・・言葉にならないほどに。

この例で挙げた「-ish」はInformalな表現ではあったとしても、辞書で調べればすぐに見つかります。OxfordやMerriam-Websterなどで調べるとすぐにわかります。(実際は「-ish」ではありませんが、似たようなものでした。)つまり辞書を調べてもいないことは明白です。自分は見たことがない、知らない、だからしょうがない、そういう翻訳者ばかりだったということです。その翻訳会社も同じ見解だということでしょう。

「いつも技術文書を翻訳しているからInformalな表現は知らない」などという翻訳者はいないのではないでしょうか。また知らなければ調べるのではないでしょうか。仮にどうにも調べがつかないことであれば質問するのではないでしょうか。また、原文か訳文が英語の翻訳をするためには、それまでにできるだけ多くの英語に触れるよう努めてきたはずです。上記のような例や実際に遭遇したものは、それなりの量の英語に触れていればわかる、または推測できるものです。つまり、この翻訳会社に登録している人は、たいした努力もせずに翻訳者になった人ばかりということなのでしょうか。

この翻訳会社は二度と使うべきではない、というのがわたしの考えです。ただし、勤め先はそうではないでしょう。この翻訳会社は安くて早いのです。他に同様のところを見つけるのは難しいでしょう。そう安くて早いため、使い続けるしかない、そういうことなのです。

もう限界を感じています。この勤め先で働くことも、こういった翻訳会社とやり取りすることも、続けていく自信がありません。この勤め先は生活費を稼ぐ収入源であり、正直なところなくなってしまうとまだ苦しいのですが、そう考えても難しいかなと感じています。これからどうしようかと頭を抱えてしまう、そんな悩ましい年始を迎えています。


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