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翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

無償だけど確認すべきなの? 直すべきなの?

from-mlv

どんな仕事にもお金はからんでいます。その額と作業範囲は密接に関係しています。しかしそのことを一切理解していない人がいたら困りますよね。

翻訳支援ツール(CATツール)は当たり前のように使われています。機械翻訳やポストエディットなんていうものも増えてきている今、CATツールはもう目新しい物でもなんでもありません。

ノーマッチ(新規翻訳)、ファジーマッチ、100%マッチ、コンテキストマッチ、パーフェクトマッチ。呼び名はツールによって違いがあるかもしれませんが、考え方はほぼ同じと言ってよいでしょう。翻訳メモリを使用した流用率が一定以下、一定以上、文章としては完全に一致する、文章の前後関係も一致する、段落ごと一致する。

文章の前後も一致する場合、また段落ごと一致する場合はたいてい翻訳としての費用は発生しません。翻訳会社での処理の手数料くらいは発生するかもしれませんが。そこかしこロックされてしまい、翻訳者からするとやりにくいものになるかもしれませんが、費用は発生しない代わりに、見る必要は一切なくなります。

とはいえ、たまたま間違いを目にしてしまったとしたら、人によるかもしれませんが、その旨報告することが多いのではないでしょうか。義務ではありません。でも、見つけてしまった以上放っておけないから、あるいは善意からお伝えしているとしておきましょう。

繰り返しますが、費用が発生しない箇所の確認も修正も義務ではありません。「何か見つけたら直してください」という善意を逆手に取った指示(依頼? 要望?)を目にすることもありますが、だったらお金を払ってくださいと思ってしまいます。

依頼側がこのようなことを求めること、期待することは実際あります。お客様は無条件に神様というわけではないのですが。しかし、エージェントの中にもこの点を理解していない人はいます。残念ながらいるのです。

エージェントはクライアントと翻訳者の間に挟まれています。費用削減が求められる中CATツールが広まり、マッチ率に応じた単価設定というものが生まれ、しまいに完全に流用できているところは見なくていいからお金取らないでということになったわけです。そのためパーフェクトマッチで費用が発生しないところは見ない、という基本姿勢で作業をすることになると思います。

ときどき、作業対象外で不具合が見つかることがあります。費用が発生していない部分だからということで納得いただくしかありません。お金をいただいていないのですから。作業のスコープに含まれていないのですから。ところがです。エージェント内で「どうしてこんな問題が発生したの?」「誰の判断で確認しなかったの?」と言い出す人もいます。

「あのね、お金が発生しないんだから基本的には責任範囲外であることは発注側も受注側も了解の上なの」と言ってもわかってもらえないでしょうから言いません。どういったらわかってくれるかと頭を悩ませます。ゆっくりと伝え方を考えて理解してもらえるように努めます。道のりは厳しいです。こういう人は頭が固いか、人の意見を聞き入れないことが多いのです。これは単なるわたしの経験則です。

CATツール、何が正しい使い方かはわかりませんが、翻訳者が自身の効率化や品質向上に役立つと考える範囲で使うことができれば言うことないのですけどね。ツールに縛られるとよいことはありませんね。その上、お金をもらっていない部分でクレームとか言われた日には。そんなことがないようにエージェント内での教育も必要だなと感じた次第です。


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