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翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

フィードバックから考えた人間翻訳とMTの違い

おもしろいGoogle翻訳の出力結果がネタに上がることがあります。それでも機械翻訳の精度は上がったとも言われます。それはそれで恐らく事実でしょう。それでも、少なくとも現段階では、MTが人間翻訳と同等の出力をすることはできないと考えます。

納品した翻訳についてチェッカー/レビューアさんからフィードバックをいただくことがあります。これは本当にありがたいことです。コメントをするには、それだけの時間と労力がかかるわけで、わざわざお手間をかけていただけること自体ありがたいことなんです。しかも自分の訳文について反省する機会になり、修正のポイントに気付ける、そんなチャンスなのですから。

フィードバックとして考えられるのは、原文の解釈間違いや、調査不足による不適切な用語の修正などが挙げられるでしょうか。(もちろん、納品前に気付き、正しいものに仕上げるべきなのですが…)「これは間違い」というのもあれば、「こうしたほうがよい」というものもあると思います。

先日いただいたフィードバックについて、詳細には書けませんが、ざっくりお話したいと思います。「(納品された訳では)〇〇という原文のポジティブな意味合いが薄れてしまうため、このように変更しました」と、おおむねそのような内容でした。そのままでも間違いではないかもしれませんが、改めて前後を確認すると、指摘いただいた通り、ある単語にポジティブな意図が隠れていることがわかりました。

単語にはポジティブな意味を持つもの、ネガティブな意味を持つもの、その単語自体はどちらでもないものなどがあります。上記わたしが指摘をいただいたのは、それ自体はポジティブでもネガティブでもない単語についてです。

文法的に間違いではないというだけではなく、原文の意図を十分に反映しているかどうか、これは重要なポイントです。単語の意味や文法、これまでに蓄積されたコーパスを活用したところで、前後関係を加味した訳文をMTが出力できるなんて、しかも、隠れた意図まで表現することができるなんて考えられません。

TOEICのスコアで900点レベルを超えたからと機械翻訳がプロ翻訳者レベルになったと言う方々がいらっしゃるようですが、何か勘違いされているとしか思えないのです。仮にあらゆる辞書の単語をインプットしたところで、それぞれの文章の意図を汲み取ることができるでしょうか。よく考えてみてほしいのです。その上で、プロ翻訳者レベルなのかどうか考えていただきたいのです。

最近、十分な根拠も示さず、事実の調査もせず、翻訳者が漠然とした不安から機械翻訳を叩いているとか言う人がいました。人の畑を荒そうとすること自体どうかと思いますが、せめて最低限度の調査をして、根拠を持って発言してほしいものだと思います。やはり機械翻訳と人間翻訳は違うのです。叩いているのではなく、多くの翻訳者は現状存在する問題を指摘しているだけなのです。


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