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翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

ドクターGに学ぶ、検討・分析するということ

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NHKでシリーズ化して放送されている番組「ドクターG」。内容や構成が興味を引くだけでなく、総合診療医(ドクターG)のプロとしての考え方や姿勢はどの分野でも参考になるものです。

番組については番組紹介をご覧いただくと、分かりやすく説明されています。医療に関する知識のない私のような視聴者でも、謎解きをして病名を探り当てるという、いわば推理小説のような世界に引かれるのだと思います。

注目すべきは、カンファレンスでさまざまな可能性を検討し分析する研修医の姿と、それをうまいこと促し、研修医の考えを受け止め、正しい方向に導くドクターGの力量です。

研修医は当然のことながら経験は少ないのですが、それまで学び得てきた知識を総動員して、正解かどうかはわからず自信もないかもしれませんが、各症例に真摯に向き合い、一生懸命考えます。

ドクターGは経験があるのですが、決して驕ってはいません。若い研修医の言葉に耳を傾け、頷き、よいところは良いと認め、足りないところを導き出そうとします。人に指導するということはこういうことなのだと教えられます。

また、ドクターGがドクターGである理由がよく分かるのが再現ビデオです。患者さんがドクターGの下を訪れる前に近所の病院にかかっているという場面がたびたび見られます。ここで最初にかかった医者とドクターGの違いがよく分かるのです。

まず最初にかかった医者の問診は通り一遍のものであることがほとんどです。主訴についてのみ診断して、その他の可能性を考えることはありません。また、対応も表面的に感じられます。例えば「年ですからしょうがないですね」「薬を出しておきましょう。とりあえずこれで様子を見てみてください」といったような診断や対応です。(ドクターG以外はみなこのような医者であるということではありません。)

一方ドクターGの診察では、病室に入るときの行動からしっかり観察し、問診では患者の訴えの中でも主訴だけではなく、あらゆる角度から質問し、回答を引き出し、あらゆる可能性を検討します。

最初に患者の口から説明される主訴は同じでも、それを受け取る医者によってその対応は異なり、検討する範囲も対処もまるで違ってくることはとても興味深いと感じられます。

翻訳でも同じだと感じています。同じ原文でも、字面だけを見て言葉を置き換えるだけの人もいるかもしれません。普段はそれなりに訳文を検討していても、十分理解できない箇所については諦めてしまい、なんとなくそれっぽく言葉を置き換えてしまう人だっているかもしれません。分からないことは分かるまで調べて、検討を続けて、訳文を練る人もいるでしょう。

私自身は今どれに当たるのだろうと考えました。まだまだ甘い面がないとは言い切れません。だから仕事をいただくに至らないのかもしれません。

目指すのはドクターGです。(医者になろうというのではありません。)しかし、まずは症例に真摯に向き合う研修医の姿勢を自分が持っているか、そこから見直さなければいけないのかもしれません。

至らないのであれば改善する。最初のうちは最適な答え(訳)にたどり着くのに時間がかかっても構わない、諦めていい加減な訳をすることなく最善を尽くす。それを継続することで周りに認めてもらえるようになる。それでも努力を怠ることなく学びを継続してドクターGのようになる。

開業などしても、翻訳会社や周りの翻訳者の皆さんに認められる実力がなければ半人前。二足の草鞋の一足があるうちに、自分をしっかり見つめ直し、真摯な姿勢を持ち続けて改善をしていくしかないと、番組を見て思った次第です。


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