数字だって、翻訳不要な用語だって、みんなみんな文や文字列の一部です。全部カウントしますよ。当たり前です。
『JTFジャーナル2015年9月/10月号 #279』の特集記事「翻訳者の真実」8ページに次のアンケート回答がありました。
カウントに「数字を入れない」という翻訳会社やソースクライアントがいるといいます。数字も解釈に必要な重要要素です。カウントに入れるべきだと思います。
数字は訳さないからカウントしない→「であれば、数字は抜いて訳しますけどいいですね?」と返します。
そうなんです。数字だって文の必要要素です。訳文中のどこに置くか、アラビア数字のままでよいのかスペルアウトするのか、またその前後の単位や単語は活用するのか、たった一つの数字と言えども考えることはたくさんあります。
先日こんなことがありました。
英文プルーフの依頼にて
営業に聞かれました。
「プルーフ対象って、指定されたところ全部カウントしていいの? 変更しちゃいけないUI文字列とかもあるんだけど、それって入れる? 外す?」
もちろんこう答えました。
「全部カウントしますよ。変更してはいけない文字列だって、訳文中どこに入れるかとか考えなければいけないでしょう?」
さらによくある数字の例も出しました。
「数字をカウントしないっているクライアントも世の中にはいるみたいだけど、カウントしなきゃだめです。数字だって訳文中どこに入るか、アラビア数字かスペルアウトするか、前後の単語は変化するか、訳者の判断が必要なんです。カウントしないのなら、数字や翻訳不要なUI用語はプルーフ結果から消しますよ」
はいそうです、JTFジャーナルの回答を拝借してしまいました。でも分かりやすいし、説得力もあって、説明するにはもってこいですよね。そんなこんなで納得してくれたようです。
エージェントの営業だってこんなですから、クライアントは・・・
翻訳を扱い、見積もりも作っている営業でもこんなことを聞くくらいです。翻訳のことを本当に知らないクライアントの担当者であれば、「数字なんてそのままでいいんでしょ? なんでお金とるの?」と言っても不思議ではないかもしれません。悲しいことですが。
せめてエージェント内では、当たり前のことが当たり前に考えられるように、面倒くさがらずに日ごろから説明などしていかなければいけないなと、改めて感じる出来事でした。
ただ、翻訳など業務の実情にあまり興味のない営業担当者に細かく詳しく話をすると、うるさがられるだけかもしれませんが。まあいいでしょう。
[…] Com2Blogのブログ主 Komatsuさんが「数字でも翻訳不要の用語でも、全部カウントしますよ」という記事を公開されました。 […]