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翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

大きな案件と小さな案件、どちらが望ましいか、なぜか

bentou

大きな案件と小さな案件、どちらの方が望ましいか。英日翻訳であれば案件の規模にかかわらずワード単価は同じです。であればどちらでも同じでしょう、とはなりません。

ソースクライアントから翻訳会社へ、そして翻訳会社から翻訳者へと仕事が流れる時、上流にいるクライアントと翻訳会社では何を基準に費用と翻訳期間を見積もるでしょうか。多くの場合その答えは原文のボリュームと思われます。

難易度やどれだけ手間がかかるかなども考慮されますが、基本的にはボリュームがすべてかと思われます。これにはマッチ率なども加味されますが、今日は流用率の話は置いておきます。

さて、原文が英語の場合、たとえば2万ワードのもの、2,000ワードのもの、200ワードのものがあったとします。2,000ワードのものにかかる労力は単純に2万ワードのものの10分の1でしょうか。200ワードのものは単純に2,000ワードのものの10分の1で済むでしょうか。

わたしはそうは思いません。この点は多くの方に賛同いただけると思います。こんなことを考えていたところ、参考になるお話を読みました。

先日、akoronさんのブログ記事「勉強会エッセイ更新!>翻訳者としての戦略とは」で紹介されていた「西日本医学英語勉強会」のエッセイを拝見いたしました。高橋浩一さんが「翻訳、これまでとこれから、あるいはsustainableな戦略」とのタイトルで寄稿されたものです。

わたしは医療系にかかわったこともなく分野はまるで異なるものの、先輩翻訳者のお話というものは非常に勉強になるものです。高橋さんのエッセイも参考になるものが多々ありましたが、わたしにとって今というタイミングで強く頷いたのは、ある程度以上の規模の案件を「受注選択基準」として持っていらっしゃるというところです。

一部引用させていただきます。

小案件でも大案件でも、調査には一定の時間・労力がかかりますし、そうであれば、大案件のみを受けて、この「一定の労力」がかかる機会を減らすように心がけています。これによって、「納期に追われる日常」を回避するようにしています(週に何回も納期があると、作業スケジュールを自由裁量で立てることも難しくなりますし、なによりも常に納期に追っかけられてるようで精神安定上、良くないです。)

そうなんです。ミニマムなボリュームであったとしても、調査に一定の時間がかかるのです。ある程度のボリュームの案件であれば、訳出開始まで、あるいは訳出の最初の段階では時間がかかっても、調査の苦労が報われて徐々にスピードが上がる可能性があります。

たとえば平均1日2,000ワード訳出できる翻訳者が、200ワードの案件は1時間かからずにできるかというと、そうとは限りません。実際私も、150ワード程度ものもが30分で仕上がったこともあれば、200から300ワードのものに3時間や4時間かかったこともあります。

逆に、5桁を超える案件の場合は、高橋さんの仰るように、進捗の予定などは自分の裁量で立てることができます。この方がストレスは少なく、少しずつ予定より前倒して確認の時間を多くとるなどの調整も可能です。

今週月曜日、初めての5桁案件納品が完了し、大きな案件はその達成感も同様に大きいと感じました。納品後の不安もありますが、まずは完了したことにほっとしてもいます。

継続的に大きな案件を依頼いただくには、それだけの信頼を勝ち得ないといけないとも思っています。まずは信頼を得て、大きな仕事を任せていただけるよう、向上心を持って、日々努力するしかないなと思っています。

さて、まだ続けているエージェントの仕事、スケジュールを立てるに当たって重要なのはボリュームだけじゃないよと、同僚に改めて伝えたいなとも考えています。そんな考え方をごく一部のエージェントでも広められればよいですね。


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