Com2 Blog

翻訳とWeb制作を基礎から分かりやすく学ぶ

エージェントなのに自分個人の評判を落とすということ

bad-reputation

エージェントに勤めていても、会社ではなく自分個人の評判を落とすことがあるんですね。以下、その関連としてエージェントでのざっくりした品質レベルを挙げますが、営業主導型翻訳会社の例とお考えください。これは作業者には決定権のないものです。

それぞれの品質にはソースクライアントからいただくことのできるコストと作業期間も大きくかかわってきますので、これだけは事前の断りとして挙げておきます。そうです、悪意があって品質レベルを下げているわけではありません。かといって、翻訳の難しさや品質を分かっている人がエージェントにどれだけいるか、それはここでは触れないでおこうと思います。

訳漏れがないか、数字や単位に誤りがないか、これはどのような案件でも確認する項目です。訳文の質にさほど関係するとは思えないもの、そういうものはどの案件でも見ます。

(1)しっかりチェックをする案件があります。誤訳や原文の意図とのずれがないか、原文と訳文を付け合わせて確認します。適切な文体や表現になっているか、適切な訳語選択がされているかなども確認します。訳文としての品質をできる限り確保して納品しようとする案件です。英日と日英に絞って考えても、ここまで校閲できる人がどれだけいるかは疑問です。

(2)少しレベルを下げてみましょう。誤訳があってはさすがにいけないので、これは確認します。原文と意図にずれがないか、これは見ません。文体、表現、訳語選択などは当然見ません。クライアントの指示や指定訳語は確認します。お分かりの通り、一気にレベルが下がります。

(3)さらにレベルを下げてみましょう。訳文を読みません。訳漏れ、また数字と単位などのみ確認します。そうです、誤訳があっても気づけません。品質の99パーセントが翻訳者様にかかっているという状況です。エージェントとしては、まったく無責任と言うほかありません。

上記(3)では、かけてよい時間を制限されたり、ここまでは見てそれ以上は見なくてよいから、と言われることがあります。翻訳をされている皆さんからは信じられないですよね。当然私も不本意です。そんな中途半端な仕事したくありません。

翻訳者様よりコメントや、ここが調べても分からないため確認をお願いします、などと相談をいただくこともあります。時間をかけられないということはどうなるでしょうか。そうです、翻訳者様から頂いたコメントや不明点を調べることもできません。そのため回答できません。

実はこれで信頼を失いました。このような会社の事情を翻訳者様にお話しできるはずもなく、結局、手配を行った私が悪者になるほかありません。会社の都合でも、不本意な仕事でも、個人が信頼を失うことはあるのですね。担当者を変えることでご納得いただいたようです。

私も翻訳が好きです。翻訳することが好きです。一生懸命調べて、コメントをつけて、その結果反応がなければ気分悪くなるでしょう。

会社に聞きました。どうすべきだったのか。「コメントいただいた箇所はその通りで大丈夫です」など回答すればよいとのことでした。私としては、きちんと調べたうえで回答しないと気がすみません。時間もかけず上辺だけでなんとなく回答するなんてことはできません。良くも悪くも不器用です。それに、適当な回答は翻訳者様に失礼だと思えて仕方ありません。

やはりうまいこと立ち回らければいけない営業主導型翻訳会社のようなところには向かないなと改めて感じました。

このブログを会社の関係者が見たら「あいつぅー、キィー!」となるかもしれませんが、まあよいでしょう。

会社は利益を上げなければなりません。そのために会社も営業担当者もどうすればよいかと日々考えているはずです。その結果、何を担保して何を削るか考えているはずです。

それでも私にはキツイですし、やはりそれで個人の信頼が損ねられるに至ることが納得できないのです。

これで近い将来フリーランスになり、その翻訳者様の目にとまれば、「あの人コーディネーター時代、ろくにフィードバックもくれなかったんだよ」と見られるわけです。今の仕事に就いたのは私の人生にとってマイナスだったのかもと思えてしようがありません。


コメント

コメントを残す