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第29回JTF翻訳祭に行ってきました(後半)

10月24日木曜日、パシフィコ横浜で開催された第29回JTF翻訳祭に行ってきました。今回の報告は2本に分けてお伝えします。では後半、午後の部をご覧ください。

前半については第29回JTF翻訳祭に行ってきました(前半)をご覧ください。

この報告は、セッションで配布された資料、自分でとったメモ、それに自分の考えを足して書いています。間違いなどありましたらご指摘いただけますと幸いです。また、「これは公表されては困る」という部分がありましたらご連絡いただけましたら即刻削除修正いたします。

改めて、わたしが参加したセッションは次のとおりです。(登壇者敬称略)

セッション1 質を守る翻訳者の工夫~原稿受領の時点から(齊藤 貴昭、高橋 さきの)
セッション2 目指すは「三方よし」!(豊田 憲子)
セッション3 フリーランスの税務申告と節税対策(秋本 達雄、井口 富美子)
セッション4 玄人な関係を築くための本音トーク90分(齊藤 貴昭、平野 幸治)

ここではセッション3とセッション4について報告いたします。

セッション3 フリーランスの税務申告と節税対策

ここでは、セッションでメモをしたことをそのまま記載します。裏をとっていません。翻訳ではありえないことですが。聞き間違いがあるかもしれませんし、メモの間違いもあるかもしれませんので、税制や申告などについてはそれぞれ調べて裏をとってくださいね。(無責任ですみません。)

前半は税理士の秋本さんのお話でした。

会場には、すでに開業している人とこれから開業しようと考えている人がいるとの前提で、開業に必要なことや、青色申告の特典などについて、詳しくお話しをしてくださいました。

青色申告の特典は60あるということでしたが、その中でも主な3点をご説明いただきました。「純損失の繰越控除」「青色申告特別控除」「青色事業専従者給与」です。詳細はメモが追いつきませんでした。このキーワードで調べるだけでもかなりのことがわかると思います。(またしても無責任ですみません。)

減価償却に関して翻訳業にとって重要なお話がありました。減価償却はその資産を国が決めた耐用年数に従って割ります。ただし、30万円以内のコンピューターは消耗品で構わないとのことでした。これにはソフトなどを含めないようです。わたしは境界は10万円だと考えていました。また、先日10万超えのノートPCを買ったばかりだったこともあり、個人的にタイムリーな情報でした。

消費税については、売り上げが1000万円を超える人は出金伝票に8%と10%を分けて書き、1000万円に満たない人は従来通り1本(8%か10%は気にせず分けて記載もしない)で構わないとのことです。請求書には、消費税額の前か後ろに「10%」などと税率を明記する義務があるとのことです。(ここ、メモが怪しいです。)

インボイス制度についてもご説明いただきました。ただし、わたしのメモが汚すぎて怪しいためここには書かないことにします。重要なことをレポートできず申し訳ありません。

最後に、節税については税理士に相談するとよいとのことでした。税理士の皆さんはそれぞれ努力の上に身に付けた知識をもって相談に乗り、説明されるわけです。専門性に対価を払う、これはわたしたち翻訳者であれば納得のゆくことです。

後半は井口さんのお話でした。

井口さんはご自身の経験から得た知識やお考えをお話しくださいました。メモをとる余裕がなく、詳細にお伝え出来ませんが、節税として、また将来の蓄えやもしもの時のために、わたし自身も考えなければいけないと感じました。

これから自分でも「小規模企業共済」「国民年金基金(確定給付型年金)」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」など調べたいと思います。

税務申告と節税対策などについては、井口さんのブログ「IT’S A WONDERFUL LIFE」が詳しく、参考になります。

(詳細に書けず、井口さんには申し訳なく思っております。スライドに見入っておりました。)

セッション4 玄人な関係を築くための本音トーク90分

登壇者はどちらも翻訳会社でのプロジェクトマネージャーを経験していらっしゃいますが、齊藤さんは品質管理畑出身で現在は翻訳をなさり、平野さんは営業からPMになられた方でご自身で翻訳をなさることはないという、共通点もありながら両極端なお二人でした。その経験や立場の違いが明確に現れる興味深いトーク(漫才?)でした。

まずは、クライアント、翻訳会社、翻訳者がお互いに玄人として、伝えるべきことは適切に伝えるコミュニケーションが重要であるという言葉から始まったと記憶しています。誤解はお互いの理解不足などから生じているのではないかとのことです。

翻訳会社にコメントしにくいと感じている翻訳者は多いのではないかと思われますが、やはり大人として適切な伝え方さえ押さえていれば問題はありませんし、お話しを伺っている中で、かえってコミュニケーションはとるべきではないかと感じました。

以降、齊藤さんがSNSでとられたアンケートをベースにお二人がコメントするという形で進行しました。アンケートへの回答が映し出され、翻訳者の本音を平野さんが読み上げると、頷きながら聞く方が多かったのが印象的です。メモは細かくとっていないのですが、ごく一部、自分でも読めたものをご覧いただこうと思います。

・翻訳の目的(使用目的など)を明確にしてほしい。
・参考資料がほしい。
・依頼時には原稿を添付してほしい。
・チェックシートなど、訳文以外の文書(納品物)を増やさないでほしい。
・一時期に仕事が集中すると普段依頼している以外(言葉は悪いがB級)の翻訳者にも発注することになるため品質が低下する。発注をならす(平均化する)ようにカスタマーエデュケーションが必要。

翻訳の仕事を受ける側だけでなく、翻訳会社などエージェント側にも重要なことです。依頼時にできるだけ必要な情報を出す。何を翻訳するのか、どういう目的の文書なのか伝え、原文ファイルも見ていただき、双方納得して仕事を始める。当たり前ですが、すべてきちんとできているところは意外と少ないのかもしれません。同僚にも改めて伝えようかと思います。

カスタマーエデュケーションについてはなかなか難しい問題だと感じます。クライアントから仕事を頂かないと経営が成り立たなくなることもあり、どのような姿勢でどこまで伝えるかは各翻訳会社の企業としての姿勢も関係するのではないでしょうか。実際、クライアントとのコミュニケーションについては、エージェントの営業がクライアントに遠慮して、伝えるべきことを伝えられていないのではないか、カスタマーエデュケーションをできていないのではないか、そう感じることが多いのです。

それでも、先のことを考えたら、まずわたしを含めエージェントの位置にいる人間が翻訳業の内容を正しく理解し、クライアントに伝え、妥当な日程と価格で受注する努力をしなければならないと強く感じます。

もう一つ書かなければいけないことがありますね。そう、MTについてです。齊藤さんはMT反対派とのことですが、一方の平野さんはMT推進派ということでした。平野さんはMTの今後に期待を持っているようでした。現在わかっている技術的な問題を齊藤さんに指摘されていましたが、それでもなんとか肯定的な話をしようとされていました。正直苦しかったと思います。平野さんはよい人なのだと感じましたが、MTについては、すみません、説得力がありませんでした。(本当にすみません。)

最後にQAがありました。時間の都合で一人だけとなりましたが、とても素晴らしいポイントをつくものでした。概略は次の通りです。

・翻訳者の評価をどのように、誰がしているのか。
・翻訳者の仕事の質はチェッカーしかわからないのではないのか。
・だとすると、チェッカーのレベルが高くないと、正しい評価などできないのではないのか。

それでもチェック単価がは低いのが現実です。この問題と現実を考えると堂々巡りになってしまいますね。

結局、個人的に感じたのは、コミュニケーションだけでなく、翻訳業を正しく認識してもらう努力が必要なのだということです。

まとめ

パシフィコ横浜は広く感じたのですが、交流パーティーだけはいつもより混雑が激しかったのではないでしょうか。参加者数が多かったためでしょうか。そうであればうれしいことでもあります。クライアント、翻訳会社、翻訳者ができるだけ参加し、翻訳業について正しい認識を得ようとすることや、本来あるべき姿を探ろうとすることは大切なことと考えます。もちろん、いろいろな立場からの発表があるため、それぞれの話をどうとらえるかは人それぞれであり、自分で責任をもって考えるべきことではあります。

翻訳について正しい認識が広がることを切に願っています。また、自分にできることはやっていこうと思います。


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